個人的感想的備忘録的読書記

読んでいった本を忘れないようにしよう。

海賊と呼ばれた男(下)

~生涯戦い続けた人~

【55冊目】

 

2022年11月6日に読み終わりました。

 

お盆中に読み終えたいと言っておいて、3か月の後ろ倒しです。

 

上巻では、国岡鐵造の学生時代も含め、戦前に会社を興し、国内から満州を席巻する国岡商店の様子が描かれていました。

 

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下巻では、いよいよ本格的に世界を相手に戦っていきます。

 

第二次世界大戦で敗れた日本は、アメリカの統治下におかれます。

 

アメリカは当然日本市場を手中に収めようと動いてきますが、石油業界でいえば、日本は原油産出国ではないため非常に苦しい戦いとなります。

 

アメリカに限らず、世界の石油系巨大企業(セブンシスターズ)が襲い掛かってくるため、日本の多くの企業は傘下に入ってしまい、もはや残すは国岡商店のみ、というところまで追い詰められます。

 

しかし、国岡さんはもちろんそんな圧力には屈しません。当時イギリスはイランの原油産出開発を行っていたため、イランの原油はイギリスのものだ、と世界に宣言していました。各国はイギリスからの攻撃をおそれ、イランから石油を輸入することはしませんでしたが、国岡商店は活路をそこに見出して、危険を顧みず契約締結と輸送を製鋼させました。この辺りは、なかなか手に汗握る展開だったと思います。

 

これにより国岡商店は一気に世界でも恐れられる大企業として認められるようになりました。そのあとも、法律に足を引っ張られたりと敵が常に

 

途中で、世界最大級の製油所を山口県の徳山(現 周南市)に建設していく様子が描かれているのですが、中身はすさまじいことでまさに奇跡と呼べることだとは思います。ですが、なかなかの非人道的な進め方のようにも思えました。現代なら間違いなく実現できないと思います。

 

ラストは国岡さんが息を引き取るところで物語は終了です。

 

正直、読むのに時間がかかりすぎました。だいぶ内容を忘れてはいるのですが、意外とラストあたりはぐっとくるものがありました。友人の結婚式の帰りの飛行機で読んでいて、となりには赤ちゃんがわんわん泣いていたのですが、実は僕もちょっと泣いていました。